お知らせ


低空ファイナルグライド飛行に関する
IGCからの勧告レター

(2007.07.16)

2005年英国Husband Bosworthにて発生したグライダー事故の調査報告に基づき、IGC(国際滑空委員会)より、低空ファイナルグライド飛行に関する勧告レターが、本年4月19日付で、各国滑空協会会長宛に配布されました。以下にその翻訳文(レターの主要部分)と、原文(PDFファイルへのリンク)を掲載します。


<主要翻訳文>

2005年英国Husband Bosworthにて開催された、第4回FAI世界ジュニア滑空選手権において、非常に悲しい事故が発生しました。

競技フライト中、着陸に向けてファイナルグライドをしていたグライダーが、滑走路端より900m手前の位置で、カメラマンに衝突しました。

自動車の上に立っていたカメラマンは致命傷を負いました。グライダーは深刻なダメージを受けましたが、パイロットは半操縦状態ながらもどうにか着陸し、パイロットには怪我はありませんでした。

英国事故調査委員会(AAIB)がこの事故について調査を行いました。最終報告書では、この事故の原因とされる多くの要因が示されましたが、そのうちのいくつを示しますと、

・グライダーは、フィニッシュラインのかなり手前から、非常に低高度で飛行していた。
・その途中では、事故現場に到達するより以前に、電線を回避するためのプルアップ・マヌーバが含まれていた。
・多数の車両や、またそのカメラマンも含めてそれら車両の上に立っていた一般人が、低い木々等によって、部分的に見えにくくなっていた。
・他の多数のグライダーが、フィニッシュラインのかなり手前から、「地面効果」を利用した飛行を行っていた。
・カメラマンや他の一般人は、敷地外、つまり、主催者の迅速な管理監督の及ばない範囲にいた。

AAIBはその報告書の中で多くの勧告を挙げています。勧告2006-121は、IGCに対してのものであり、次のように述べています。

IGCは、競技チームの指導者達が、安全なレースフィニッシュの実施の為の技術についてを、その指導内容に含めるよう、各国滑空協会を通じて要請すべきである。

このレターは正式に、皆様にこの要請を通知し、またチームパイロット達に適切なトレーニング手法を取り入れさせるよう、皆様に依頼するものです。

重要な点は、先の報告書において、私たちがコミュニティーとして、低高度ファイナルグライドを止めさせるようなことを殆どしてこなかったが故、結果的にそれが、「許容される」形態の飛行となったことを、容認していたのである、という見解が示されていることです。

この、目的飛行場の安全領域の外側での低高度ファイナルグライドというカルチャーについては、真剣に取り組まれなければなりません。

この慣習は許容されるものではないというメッセージが、全てのパイロット達と、またフライトの運航に関わる人々に発せられなければなりません。

パイロット達が安全なファイナルグライドの実施方法についてのトレーニングを受け入れるよう要請するのに加えて、ファイナルグライドのより良い管理が、'Annex A 規程'によって示されるよう、IGCでは再吟味しています。また、コンテストディレクターやステュワードが、ファイナルグライドのマネージメントをする際の手助けとなるようなガイダンス資料も示されるでしょう。

英国滑空協会(BGA)は、この事故の発生を受け、競技手順の修正を既に実施しています。パイロットをトレーニングするのに適切な手順を作成する際の皆様の考察及び手引きの助けとなるよう、ここに示します。

1) どのようなフィニッシュラインの位置であっても、飛行場に向けてアプローチするグライダーは、(ゴーアラウンドが必要な場合を除き)特定の飛行降下経路を1つ規定するべきであり、かつ、
2) そのアプローチ中、着陸帯はパイロットの視界の中にあるようにするべきであり、かつ、
3) そのアプローチは、人(見えていても、いなくても)や、船舶、車両、また構造物に、危険を与えないような高度で、飛行場の境界を越えるものであるべきである。
 
(訳・HP委員会)

IGCよりのレター原文(PDF)